eat’s diary

いただきます、おいしいね、ごちそうさま

ひさしぶり外食のワクワク

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先日95歳になった父がかつて何十年も参加していた謡の発表会を観に、ほぼ一家総出で銀座に出かけた。ここ数ヶ月間部屋の中から一歩も出ない日が続くなか、久々の遠出。車までの往復やその他の移動もすべて車椅子使用にはなったが、なんとか行けた。今となっては実際に自分で歩くかどうかよりも、気力がもつか、起きていられるか、というのがポイントなのだ。

本日の目的は父の稽古仲間でもあった92歳になられる女性の応援。彼女の出番まで少々時間があったので軽食をとることになり、オシャレなフードコートのフルーツパーラーへ。姿勢保持や飲食能力の関係から、外でのゴハンはとても限られてしまう。おまけに周囲の音が補聴器に響くからほとんど会話もできない。そんなこんなで外食するなんて年に一度あるかないかになってしまった。

だけど今日は特別。なんせ目的は別にちゃんとあるし。するとまあ、さっさと出てくるモノとして頼んだフルーツサンドとケーキ各種、美味しいこと美味しいこと。父も驚くべき積極性を発揮してグイグイ食べた。それを見た母も嬉しそう。来られてよかった。

92歳元稽古仲間さま、さすがに正座をしないで済む椅子型装置を使われてはいたが、お声や歩くお姿はシャンとしておられ、堂々の貫禄。素敵だった。彼女やほかの知り合いの方々にもお目にかかり、父はいつになくシャキッとした顔つきになった。帰りの車中でもずっと起きていた。きっと頭の中ではずっと謡っていたに違いない。

photo:あっという間に食べ散らかした残骸。